ヤエヤマヒメウツギがしげしげ~

ヤエヤマヒメウツギがしげしげ~です。

その人が奥さんとなりまして

「だからその…付き合ってくれないかな」
「えっ…」


「もちろん君が今、付き合ってる人がいなければの話だけど」
「そんな急に…困ります」


「じゃ、京子さんの次の休みの日になにか、食べに行きませんか?」
「…はい」


京子さんにお付き合いしている人はなく、ふたりはそのままおつきあいすることになりました。そして、結婚。マンション住まいをはじめました。


ところが、また数年後、福田さんの悪いクセがまたはじまってしまったのです。


「ねえ、ベランダがタバコ臭かったわよ。あなたまさか、またはじめたんじゃないでしょうね」
「ち、ちがうよ。たぶん、となりの部屋だろ?」


ところが、そのうちにベランダに携帯灰皿が置いてあるのを京子さんが発見してしまいました。


「これどういうことなのよ?」
「あっ…ごめん…どうしてもその…」


「もういい、やめた」
「ちょっと待ってくれ、悪かった、離婚だけは…」


「えっ、そうじゃなくてもう世話をやかないから勝手にしなさいってこと。でも、近所から苦情がこないように、ちゃんと対策をとってよ」
「わかった……でも、ほんとにいいのか」


「どうせやめる気ないくせに」
「いや、その…」


考えてみれば、煙草が縁で結ばれた夫婦。いまは福田さんもアイコスに変えて、まわりに気を使いながら吸っているそうです。